研究概要 |
平成21年度において、MEの作成から着手したうえで、研究の基本的概要の方向性が確立がなされたと思われる。実際、cell growth assayでは、MEを投与した大腸癌細胞の細胞増殖活性が低下しており,その機序として、癌細胞のヒアルロン酸産生を低下させ、更にはその細胞接着能および遊走能を相対的に低下させていることが判明した。またとまりは間接的にその大腸癌細胞レベルでの毒性が確認されたと言える。このことが実験の基本であり、今後の発展性を確信できた実験系が成立したと思われた。更に現段階での結果を参考資料を活用しつつ、学会および誌上発表でその有用性について言及すべくデータ集積を行っている近況である。 またIn vitroでは、MEの細胞外マトリックスへの影響も、少なからず認められることが推測されたため、その程度や濃度との関係など、細胞活性などを観察することや、接着性を可視化するため顕微鏡でのデジタル化を行っており、その観察におけるデータを現在集積中である。 以上の結果を基に、最終的には今後ヌードマウスにおける大腸癌末期状態の作成をまず成功させ、安定化した状態をモデリングする予定である。その上で実際のin vivoでのMEの作用を確認する予定である。実際に大腸癌末期でのヒアルロン酸の造成状態およびME投与におけるヒアルロン酸産生の低下に影響を及ぼすか、また生命予後向上への効果を様々な状態作成により、確認している現況である。
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