研究課題/領域番号 |
21591720
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
堤 荘一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30323356)
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研究分担者 |
浅尾 高行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40212469)
藤井 孝明 群馬大学, 医学部, 助教 (40507331)
桑野 博行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90186560)
高坂 貴行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00507329)
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キーワード | Epithelial-Mesenchymal Transition / 抗癌剤耐性 / 転移 |
研究概要 |
Epithelial-Mesenchymal Transition(EMT;上皮間葉移行)上皮細胞が間葉系様細胞に形態変化する現象であり、発生における原腸陥入、神経提細胞の運動や器官形成過程に重要と言われている。また、EMTが運動能の亢進や細胞外基質の蓄積をもたらすことから、癌細胞の浸潤や線維化との関連も数多く報告されおり、筆者も報告してきた(Clin Gancer Res. 10 : 7775-7784, 2004. Tsutsumi et al.)。我々は、抗癌剤感受性試験を行う際に、癌細胞に5-FUやタキサン系の抗癌剤を暴露するが、耐性を獲得した癌細胞は紡錘型細胞様形態に変化することを確認した。このことから、抗癌剤耐性は癌細胞レベルのEMTによって獲得される可能性があると考えた。さらにその結果、耐性癌細胞は細胞運動能や浸潤能が誘導され悪性度を増すと考えられる。しかし、一度転移が成立すると癌細胞はMesenchymal-Epithelial Transition(MET;間葉上皮移行)により上皮細胞の性格を取り戻し転移先で増殖するような可逆性を備え持っている。現在、新規抗癌剤の開発は進歩しているが、抗癌剤耐性獲得癌は難治性で多くの課題が残されている。今回、EMT-METとの双方関移行のメカニズム、細胞ストレス耐性との関係、骨髄幹細胞動因という観点から研究をデザインした。EMTとMETとの双方間に移行が存在するかを検討するため、我々が開発したヌードマウス移植モデル(Cancer Lett. 169 : 77-85, 2001. Tsutsumi et al.)を用いて直腸腫瘍と転移性肝腫瘍を作成した。腫瘍を病理組織学的に検討したが、形態学的にはEMTとMETとの双方に移行は確認できなかった。現在、腫瘍組織内のタンパクレベルでの変化が認められるか実験中である。
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