研究課題/領域番号 |
21591720
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
堤 荘一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30323356)
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研究分担者 |
浅尾 高行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40212469)
藤井 孝明 群馬大学, 医学部, 助教 (40507331)
桑野 博行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90186560)
高坂 貴行 群馬大学, 医学部, 助教 (00507329)
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キーワード | 上皮間葉移行 / 抗癌剤耐性 / 骨髄幹細胞 |
研究概要 |
抗癌剤耐性ヒト大腸癌細胞株を作成するためにSW480、HT29、HCT116細胞株を5-FUに暴露し耐性株を樹立した。親株と比較して5-FU耐性株は、約40倍の濃度において耐性となった。親株と5-FU耐性株を比較したところ、形態学的な変化は認めず、細胞増殖能にも差異を認めなかった。MMP、E-カドヘリン、ビメンチンのタンパク発現に関して、5-FU耐性株と親株を比較したが差は認めなかった。 我々の開発したヌードマウス移植モデルを用いて直腸に腫瘍を移植したが、腫瘍の増殖能、転移能において親株と5-FU耐性株に差は認めなかった。また、脾臓転移モデルを用いても転移能に差は認めなかった。ヌードマウスへ移植した腫瘍の切除標本からマイクロダイセクションを持いてRT-PCRにより、腫瘍内のSnail、Slug、Twist、MMP2、E-カドヘリン、ビメンチンを測定したが、マウス移植前の親株、5-FU耐性株と発現量に差は認めなかった。HT29細胞株を用いたヌードマウス脾臓転移モデルにおいて、肝転移巣から腫瘍組織を採取しHT29転移株を樹立した。親株と比較したが、形態学的な変化、細胞増殖能、5-FU耐性能に差異を認めなかった。 今回、5-FU耐性株を作成し上皮間葉移行との関連について検討した。5-FU耐性株と親株において、形態学的変化、細胞増殖能、転移能に差は認めなかった。また、上皮間葉移行と関連があると報告されている因子(Snail、Slug、Twist、MMP2、E-カドヘリン、ビメンチン)を測定したが、5-FU耐性株と親株の間に発現量の差は認めなかった。以上の結果から、抗癌剤耐性と上皮間葉移行の明らかな関連はないと思われた。
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