研究課題/領域番号 |
21591739
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
八木 実 久留米大学, 医学部, 教授 (10251802)
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研究分担者 |
浅桐 公男 久留米大学, 医学部, 講師 (90268946)
高木 章子 久留米大学, 医学部, 助教 (10320243)
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キーワード | フェコフローメトリー / 排便機能障害 / 漢方治療 / 消化管機能 / 生理学 / 外科 / 臨床 |
研究概要 |
22年度までにFecoflowmetery(FFM)による客観的排便機能評価における有力なパラメーターの確認と、現在まで蓄積してきたFFMのデータを元に,スケール選択可能Fecoflowmeterを導入し、成人直腸癌術前術後の排便機能評価に試験的に使用し、有用性を確認し、直腸肛門奇形術後遠隔期患児で高度な排便障害例に大建中湯投与しFFMにより下部直腸クリアランスを有意に改善させうることが判明し欧文誌に掲載された。23年度は22年度の結果のうちFFMが大建中湯投与前後での評価に有用であることのダイジェストが邦文の漢方医学誌に掲載され、更に小児外科領域の邦文誌に直腸肛門運動機能検査の概要に関する論文にFFMについても記載し、掲載された。23年度の研究は大建中湯不応例や効果の低い症例に芒硝や大黄を含有する大黄甘草湯や調胃承気湯を投与し平均半年以上経過したのちにFFM施行し排便パターン(FFP)、最大模擬便排出速度(Fmax)、模擬便排出率(ER)の有意な改善を認め、FFM評価の有用性が示唆された。これらから、大黄や芒硝を含んだ漢方製剤で治療しなければならない(大黄甘草湯、調胃承気湯)群と含まないで治療可能な(大建中湯など)群が存在することが判明した。これは、漢方医学的評価で前者が実証、後者が虚証ということに該当した。更に、成人潰瘍性大腸炎での大腸全摘W型回腸嚢再建例でのFFMにおける測定評価が未だなされていないことに着目し、術後の頻便等、排便障害の漢方を中心とする薬物治療を行う前の評価を16例に対して合わせて行い、FFPはblock型が87%であったこと、術後経過年数とFmaxや模擬便耐容率(TR)との強い相関、などが判明し、改めてFFMの有用性が確認され欧文誌に掲載された。
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