研究課題/領域番号 |
21591744
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
清水 宏明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80272318)
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研究分担者 |
宮崎 勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70166156)
木村 文夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (70334208)
大塚 将之 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (90334185)
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キーワード | 肝再生 / 類洞内皮細胞 / 血管内皮前駆細胞 / 肝切除 |
研究概要 |
(1)類洞再生を制御するシグナル分子の解明:ラット70%肝切除モデルを用い、類洞内皮細胞の再生に必須で唯一の増殖因子とされるVGEF、及びその受容体の発現を再生肝組織においてmRNA、さらに蛋白レベルで経時的に評価した。結果より再生肝では、主に増殖した肝細胞からVEGFの産生がおこり、類洞内皮細胞膜上の発現の亢進したF1t-1,KDR/F1k-1 receptorにparacrineに作用し、肝細胞増殖に遅れて類洞内皮細胞の増殖を誘導し、それにより増殖肝細胞の群塊のなかに類洞内皮細胞が侵入、正常な肝細胞と類洞の関係が回復することが強く示唆され、さらには血管内皮細胞の発芽、成熟、安定をTIE-2受容体を介して調節するAngiopoietin-Tie systemは、肝再生後期にIto細胞にて、Ang-1の産生が亢進し、類洞の安定化を導き、さらには、VEGF非存在下のang-2の発現により、アポトーシスが誘導、血管の退縮、類洞のリモデリングが完成することが結論づけられた。閉塞性ラット胆管結紮(BDL)モデルを用いた実験の結果よ、閉塞性黄疸時には、HSCsの数の増加と活性化に伴い、繊維化/増殖抑制因子としてのTGF-β1が強発現しており、また肝組織中のHGFもすでに誘導さおり、肝切除後には活性化HSCsからのHGFの産生低下がおこっており、TGF-β1の発現の亢進と相まって肝再生は抑制・遅延される状態にあることが強く示唆された。 (2)血管内皮前駆細胞を用いた肝再生促進の試み:ラット末梢血中の単核球を比重遠沈法で分離する。この単核球分画中のCD34の発現した細胞をFACScanにより、分離を試みているが収量とviabilityなどの問題があり、困難を要している。
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