研究分担者 |
梛野 正人 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20237564)
横山 幸浩 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座講師 (80378091)
國料 俊男 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (60378023)
深谷 昌秀 名古屋大学, 医学部附属医院, 助教 (10420382)
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研究概要 |
グルタチオン(GSH)は生体内で合成される最も重要な抗酸化物質であり、Gamma-glutamyltransferase(GGT)はグルタチオンの代謝・合成経路であるグルタミルサイクルを構成する生体内で唯一のグルタチオン分解酵素である。これまでわれわれはGGTを過剰発現するトランスジェニックマウス(GGT-Tgマウス)を作成し、GGTの骨代謝に及ぼす影響について発表してきた(Endocrinology, 2007, Hiramatsu K, Nimura Y, et al.)。またグルタチオンは肝細胞中に含まれ、肝血流遮断後に生じる虚血による酸化環境を改善させる働きも持っており、グルタチオンの代謝に関わるGGTは肝臓での酸化ストレスに関わる重要な酵素と考えられる。まずわれわれはGGT-Tgマウスの肝臓におけるGGTの発現に関してPCR法、ウェスタンブロティング法にて検討した。その結果、RNAレベル、タンパクレベルのいずれにおいてもGGT-Tgマウスの肝臓ではGGTの発現が亢進していることを確認した。本研究の目的は、肝虚血/再灌流による肝障害時におけるGGTの役割の解明であり、その最終目的は臨床への応用である。 今後肝虚血/再灌流による肝障害をGGT-Tgマウスにおこし、その肝臓を用いて酸化ストレスに対する耐性の検討を行う。またDNAアレイ法による網羅的遺伝子解析によりそのメカニズムを明らかにする予定である。
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