肝臓は一定限界内の切除であれば正常まで再生する器官であり、臨床的にも70%の切除は残りの肝臓の正常な再生を用いる限界として認められている。大きい腫瘍か厳しい肝臓外傷などで70%以上切除が必要な場合には、肝臓機能は他の器官の機能障害失敗ともに増悪することが多い。そのような肝不全を防ぐため大きな切除術には、肝臓の再生を促進する刺激剤が必要かもしれない。D-alloseはラット肝臓の90%の切除後残存肝の再生を刺激するとされ、実験を行った。増殖している細胞の判定は組織切片を用いBrdU染色によるDNAのラベリングか、proliferating cell nuclear antigen(PCNA)および細胞増殖関連タンパク質であるCyclinEおよびCdk2の染色を、肝切除後の2、4、12、24そして48hrにおいて検出した。D-alloseは全てのタイムポイントにおいて、Cycline EおよびCdk-2両方の活性を有意に高めていた。BrdUとPCNAは肝切除後の12そして24hrにオズ化していた。D-alloseはCycline E/Cdk-2の活性化誘導および再生肝臓細胞のDNAの合成の開始に関与する可能性がある。
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