研究課題
C型肝硬変に対する肝移植術後インターフェロン(IFN)治療効果予測に関する研究を行った。肝移植後HCV再発に対しIFN治療を48週以上施行し得た症例を対象とした。Direct sequenceにて、Core領域に関してはアミノ酸(aa)70/91の変異の有無を検討し、NS5A領域に関してはISDR(aa2209-2248)およびIRRDR(aa2334-2379)のそれぞれの変異数を検討、VR (viral response)率およびSVR (sustained viral response)率との比較を行った。さらに98例にてIL28BのSNPを測定することができた。94例(1型82例、2型12例)にペグインターフェロン・リバビリン療法を行った。治療によるEVR率は20.2%、VR率は58.5%、SVR率は47.8%であった。SVR(n=45)となった症例の内、EVR-SVRは20例(44.4%)であり、半数以上の25例(55.6%)はdelayed VR後に48週以上の治療を追加した症例であった。移植前HCVRNA陰性であった症例(n=12)の内、3例で移植後HCVRNA陽性となったが、いずれも術後ペグインターフェロン・リバビリン療法にてSVRとなっている。また、胆汁鬱滞性肝炎が12例に発症した。ペグインターフェロン・リバビリン療法が施行された症例が9例の内、7例で同疾患のコントロールおよびSVRが得られた。1b型症例の内、49例でドナー・レシピエントのIL28B-SNP解析が可能であった。IL28B major/major群(n=29)およびmajor含有群(n=20)のSVR率はそれぞれ68.9%および15.0%であった。また、major/major群の内、AA70/91(double wild=1)、ISDR(変異2個以上=1)、IRRDR(変異6個以上=1)で解析すると、合計ポイント0(n=5)、1(n=12)、2(n=10)、3(n=2)それぞれのSVR率は40.0%、66.7%、80.0%、100%であった。またdelayed VR症例の内、majorは19症例、minorは6症例であるが、major群のSVR率は15/19=78.9%、minor群のSVR率は33.3%であった。
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