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2009 年度 実績報告書

肝細胞癌の発生・進展におけるマイクロRNAの分子機能解析と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21591754
研究機関九州大学

研究代表者

杉町 圭史  九州大学, 大学病院, 特別教員 (90452763)

研究分担者 前原 喜彦  九州大学, 医学研究院, 教授 (80165662)
武冨 紹信  九州大学, 大学病院, 助教 (70363364)
副島 雄二  九州大学, 大学病院, 助教 (30325526)
池上 徹  九州がんンセンター, 消化器外科, 医師 (80432938)
キーワード肝細胞癌 / マイクロRNA / マイクロRNAマイクロアレイ / リアルタイムPCR法
研究概要

肝細胞癌生体肝移植症例におけるマイクロRNA発現の網羅的プロファイリングと個別発現解析
「マイクロRNAは肝細胞癌の発生・進展に重要な役割を果たしている」という仮説を証明するために、まず肝細胞癌におけるマイクロRNA発現を網羅的に解析した。肝細胞癌に対する生体肝移植症例3例を対象にして、原発肝癌病巣(T)、非癌部肝組織(N)、転移再発肝癌病巣(M)からそれぞれRNAを抽出した。マイクロRNAマイクロアレイを用いてマイクロRNAの発現プロファイリングを行った。その結果、原発巣および転移再発巣でともに非癌部肝組織に比べて高発現するmiR-18a、逆に原発巣および転移再発巣でともに非癌部肝組織に比べて低発現するmiR-199a-3pという二つの分子を同定することができた。
次に高感度に少ない肝細胞癌臨床組織検体より多数の検体のマイクロRNAを正確に定量することができるリアルタイムPCR法を確立した。肝細胞癌に対する生体肝移植症例70例において肝癌組織および非癌部肝組織よりそれぞれRNAを抽出し、miR-18aおよびmiR-199a-3pの個別発現解析を行った。miR-18aは非癌部において1.1±0.7倍であったのに対して癌部では1.6±1.2倍でありT/N比=1.8(p<0.001)であった。miR-199aは非癌部において3.4±2.5倍であったのに対して癌部では1.0±1.3倍でありT/N比=0.31(p<0.0001)と癌部で有意に発現が低下していることが判明した。
今後はまず肝細胞癌肝移植症例においてmiR-18a高発現およびmiR-199a低発現の生物学的意義を臨床病理学的因子の解析を通じて明らかにする。さらにそれぞれの分子の発現解析およびその機能解析をin vitroの実験にて進めていく予定である。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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