研究課題
基盤研究(C)
研究1においては、肝硬変症における肝内微小循環障害の分子機序を解明するために、我々は、血管拡張因子であるNOとその活性酵素eNOS,その調節因子であるRho kinaseについて、ラット肝硬変モデルで検討したところ、肝硬変においては、肝臓でのRho kinaseの活性が上昇しており、そのことが肝臓内でのeNOSの活性を低下させ、肝微小循環障害を引き起こしていることを証明した。また脾臓由来のET-1が、Rho kinase活性を促進していることを初めて明らかにした。研究2においては、血小板中に含まれるセロトニンが肝微小循環に及ぼす影響にてついて検討した。肝臓内にはセロトニンの受容体が正常ラット、肝硬変ラットで同程度に認められた。肝線維化の過程において、血小板中セロトニンは肝再生を促進した。肝再生能が亢進することから、肝線維化が抑制され、結果として肝機能の改善、肝微小循環の改善が得られていた。脾臓摘出術による肝機能改善の機序として、脾摘後の血小板が肝再生、肝微小循環に影響していることを明らかにした。研究3では、肝臓指向性のナノカプセルを作成し。これにNO除放剤を搭載することに成功した。肝硬変ラットに投与したところ、肝臓でのNOの発現増強を確認することができ、臨床における肝硬変微小循環障害の改善治療としての可能性があることを明らかにした。
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