研究課題/領域番号 |
21591756
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小森 宏之 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (50444881)
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研究分担者 |
別府 透 熊本大学, 医学部附属病院, 特任教授 (70301372)
堀野 敬 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (60452900)
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (20240905)
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キーワード | GPC3ペプチド / 肝細胞癌 / 腫瘍抗原特異的CTL |
研究概要 |
肝細胞癌の術後再発(散布再発および多中心性再発)を抑制しうる補助療法としての免疫療法を開発する事にある。具体的にはラジオ波凝固療法による肝癌治療の際、GPC3ペプチドを腫瘍内投与することで樹状細胞を腫瘍局所で成熟させ、腫瘍抗原にさらすことで抗原提示を増強する。より強力な腫瘍抗原特異的CTL(細胞障害性T細胞)を誘導し、肝細胞癌の再発を予防する。マウスを用いた予防実験にて腫瘍生着抑制効果を確認、ヒト腫瘍の増殖を抑制することを確認した。BALB/c由来の大腸癌細胞株Colon26にmouseのGPC3を遺伝子発現させRT-PCRにて再確認した。腫瘍のablationに関しては、共同研究者である国立がんセンター東病院の中面哲也、本村裕らの研究によると、マウスの皮下に移植したColon26/GPC3を切除あるいはRFAで治療した後、ソケイリンパ節を回収し、IFN-γElispot assayを行ったところ、RFA治療群において有意に多くのGPC3特異的CTLが検出されることが分かった。またの肝細胞癌患者における検討では、治療歴のないHLA-A24あるいは-A2陽性の肝細胞癌患者27人(RFA9例、肝切除術9例、動脈塞栓術9例)を対象に、それぞれの治療前後におけるPBMC中のGPC3特異的CTLの推移を検討したところ、治療後にGPC3特異的CTLの増加を認めた症例は、RFA6例、肝切除術1例、動脈塞栓術4例とhumanにおいてもRFAが他の治療に比べ高頻度にGPC3特異的CTLを誘導することがわかった。我々の研究においては、GPC3を発現する病変に対しRFAを施行した後に、直接ペプチドワクチンを注入し、より効率的にCTLの誘導を試みるものである。
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