研究課題/領域番号 |
21591759
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
高 済峯 奈良県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80305713)
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研究分担者 |
中島 祥介 奈良県医科大学, 医学部, 教授 (00142381)
藤村 吉博 奈良県医科大学, 医学部, 教授 (80118033)
柴田 優 奈良県医科大学, 医学部, 助教 (50405388)
松本 雅則 奈良県医科大学, 医学部, 准教授 (60316081)
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キーワード | 血友病 / 第VIII因子 / 生体肝移植 / 部分肝移植 / von Willebrand factor / ADAMTS13 / 肝切除 |
研究概要 |
血友病A患者で欠乏している第VIII因子の主たる産生臓器は肝臓であり、肝移植後に血友病が治癒することが報告されているが、血友病自体の治療目的で肝移植を行った例はない。異所性肝移植は、自己肝を摘出せずに、体内の別の場所に肝グラフトを移植する方法で手術侵襲も小さい利点があるが術式として確立されておらず、長期に第VIII因子の産生が維持されるかについては明らかにされていない。部分肝移植による第VIII因子産生の検討の前段階として、小動物実験モデルとして検討可能なADAMTS13ノックアウトマウスをレシピエントとする移植実験を行った。ADAMTS13は第VIII因子と同じく主として肝で産生される止血血栓関連因子であり、研究者らの実験施設で維持されている。ADAMTS13活性は測定感度以下であるが健康状態は保たれている。このマウスに野生型の同系マウスの肝細胞を移植してADAMTS13活性が上昇するかについて検討した。腹腔内にそのまま注入してするモデルと腎被膜化に移植するモデルを行ったところ、いずれも測定感度以下であり、現在、血管内に移植できるよう星細胞を含む肝の非実質細胞を血管内に注入できるように分離する方法の確立を行っている。また臨床検討として、肝切除患者において手術に伴う肝の血管内皮細胞障害にともなうADAMTS13をはじめとした血栓・止血関連因子について検討し、肝の虚血や拡大肝切除によってADAMTS13活性が大きく低下することを明らかにした。
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