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2009 年度 実績報告書

腫瘍血管新生と低酸素環境を軸としたテーラーメード癌治療法の創出

研究課題

研究課題/領域番号 21591772
研究機関京都大学

研究代表者

森 章  京都大学, 医学研究所, 助教 (60324646)

研究分担者 秦 浩一郎  京都大学, 医学研究科, 助教 (90523118)
キーワード腫瘍血管新生 / 低酸素 / KLF5 / HIF-1 / 膵癌
研究概要

腫瘍血管新生の構築過程における分子生物学的多様性を解明し、それに応じた新たな分子標的治療を開発する一方、抗腫瘍血管新生療法の限界を打破するため、血管新生に依存せず低酸素状態で増殖可能な腫瘍におけるエネルギー獲得機構の解析を行い、それに基づく分子標的治療法の開発を行うことを目的とした研究を進めた。転写因子KLF5は、心血管リモデリング、血管新生に重要な働きを担っており、また、大腸癌ではKRAS変異に伴いRaf/MEK/Erk経路を介して癌の増殖、転移に関与していることが報告されている。そこで、KRAS変異率が約80%と高率で、極めて予後不良な癌腫である膵癌におけるKLF5のシグナル伝達経路を解析した。大腸癌と異なり、KRAS変異の有無にかかわらず各種膵癌細胞株でKLF5は高発現であり、MEK/Erk経路やSAPK/JNK経路ではなく、P38経路に依存していた。また、KLF5のシグナル伝達の上流には、低酸素により誘導されるHIF-1αが存在し、下流には、PDGF-A、Survivinが存在し、膵癌の増殖、転移に関与することを突き止めた。膵癌患者におけるKLF5の意義を明らかにすべく、臨床切除標本を用いて免疫染色を行い、腫瘍血管新生、低酸素環境、臨床病理学的因子、予後との関連を検討中である。さらに、膵癌をはじめとして抗血管新生分子標的治療のみでは、治療効果が乏しい癌腫に対して、KLF5を標的とした分子標的治療の開発を企てている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Up-regulation of Kruppel-like factor 5 in pancereatic cancer is promoted by interleukin-1beta signaling and hypoxia-inducible factor-1alpha.2009

    • 著者名/発表者名
      Mori A, Moser C, Lang SA, et al.
    • 雑誌名

      Molecular Cancer Research 7

      ページ: 1390-1398

    • 査読あり
  • [学会発表] 膵癌におけるKLF5のシグナル伝達経路と治療標的としての可能性2009

    • 著者名/発表者名
      森章
    • 学会等名
      第68回 日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-10-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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