抗血管新生療法の限界を打破するため、血管新生に依存しない低酸素環境における腫瘍の増殖機構を解析し、それに基づく治療標的分子の探索を行った。極めて予後不良である膵癌におけるKLF5のシグナル伝達経路をin vitroで解析した。KRAS変異の有無にかかわらず各種膵癌細胞株でKLF5は高発現であり、P38経路に依存していた。また、KLF5の上流には、低酸素により誘導されるHIF-1αが存在し、下流には、PDGF-A、Survivinが存在し、膵癌の増殖、転移に関与することを突き止め、治療標的分子としてKLF5が有力候補となり、臨床標本での解析を行っている。
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