研究課題/領域番号 |
21591781
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
宮澤 光男 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20200165)
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研究分担者 |
小山 勇 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60178390)
合川 公康 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (20438823)
鳥井 孝宏 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (50364774)
岡田 克也 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (60364775)
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キーワード | 胆管狭窄 / 生体吸収性ステント / チューブステント / 胆管上皮 / 胆管再生 |
研究概要 |
胆管狭窄部に「良好な胆管再生過程」を誘導するために我々が開発している生体吸収性胆道ステント(BAS)と従来のチューブステント(TS)とで狭窄部治療後の組織再生の相違を比較し、新規の生体吸収性胆道ステントを評価した。(対象と方法)生体吸収性ステントはポリカプロラクトンとポリ乳酸(3:1)の共重合体で作製し、約3週から生体内で脆弱となり、6週で吸収分解するように設定した。雑種ブタを全身麻酔下開腹、肝外胆管を同定し、フアーター乳頭部より約1cm肝側胆管を糸にて結紮。1週後、再開腹し、胆管結紮糸を解放した。、十二指腸を切開し、狭窄した胆管部分に、フアーター乳頭を確認しながら、アトムチューブを支持としたポリグリコール酸製ステント(拡張時直径5mm)を挿入した。シリコン性チューブステントも同様に挿入した。ステント挿入3か月後、狭窄部を組織学的に検討した。(結果)すべてのブタはステント挿入後3か月まで、生存した。3か月後BASは狭窄部には存在せず、また狭窄部は他の部位の肝外胆管と差異は認められなかった。組織学的には、狭窄部は良好な上皮再生がおこっており、血液生化学的にもすべてのブタで胆道系酵素の上昇は認められなかった。TSは狭窄部に存在し、組織学的に胆管狭窄部には上皮再生は認められなかった。(結語と考察)この生体吸収性ステントは胆管狭窄部に良好な胆管再生過程誘導を可能とし、臨床に応用できると考えられた。
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