研究分担者 |
川本 俊輔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20400244)
高橋 悟朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (50526449)
阿部 高明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80292209)
齋木 佳克 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50372298)
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研究概要 |
1,大動物(ブタ)腎虚血再灌流モデルの作成 体重約30kgの大動物(ブタ:WL大ヨークシャー×ランドレース)を用いて、胸腹部大動脈手術手技中に生じる腎虚血再灌流を模倣するための両側腎動脈遮断による腎虚血再灌流モデルを確立した。全身麻酔下に、両側腎動脈を1時間遮断するプロトコールとした。虚血直前、1時間遮断後再灌流直前、再灌流後1時間、2時間、3時間、4時間の6ポイントで全身血、腎静脈血、尿、腎組織を採取し評価を行った。全身麻酔中は経時的に膀胱温、体血圧及び静脈血酸素飽和度をモニタリングし、膀胱温は37~38℃を保持するよう管理した。PPAR-γ投与群においては、現在臨床で使用されているPPAR-γアゴニストであるピオグリタゾンを5mg/kgの用量で実験前7日前から連日経口で投与した。 2,腎障害の血中マーカーによる評価 腎障害度の血中マーカーによる評価は主に血清Crで行っている。腎虚血再灌流後の時間経過に沿って徐々に上昇を認めている。 3,腎虚血再灌流による障害度及びPPAR-γ、LXR-α発現に対する病理学的評価 腎虚血再灌流後の経時的な腎障害度の変化、PPAR-γ,LXR-αの発現については病理学的に評価を行っている。腎障害度評価においては、糸球体毛細管内の血栓形成や充血、近位尿細管を中心とした上皮剥離物質(globule)、遠位尿細管を中心とした管腔の拡大などの所見を認め、概ね再灌流後2時間をピークに回復してくる所見が得られている。また、PPAR-γの発現評価指標として標的遺伝子の1つであるLXR-αに着目し、同時に測定を行った。基礎実験としてPPAR-γAb及びLXRrαAbがブタに対してworkし、腎に発現し、かつ局在が一致することを確認した。免疫染色の結果、両物質ともネフロン近傍の血管内皮及び近位尿細管を中心とした尿細管上皮に発現し、かつ再灌流後の時間経過に沿ってやや発現が上昇する所見を得た。 また、PPAR-γ及びL)XR-αの定量評価をreal time RT-PCR,Western blottingなどの手法で行っている。
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