研究課題/領域番号 |
21591805
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
瀬在 明 日本大学, 医学部, 講師 (70350006)
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研究分担者 |
塩野 元美 日本大学, 医学部, 教授 (20170847)
秦 光賢 日本大学, 医学部, 講師 (00350017)
笠巻 祐二 日本大学, 医学部, 講師 (60318409)
中井 俊子 日本大学, 医学部, 助教 (80366591)
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キーワード | 循環器・高血圧 |
研究概要 |
平成21年4月より本研究が開始され、平成23年3月現在201名の患者が登録されました。182名が術後1ヶ月目を、98例が術後1年目のデータ解析可能でありました。 【現時点での結果】術後不整脈の発生は、hANP群10例(10%)、placebo群31例(30.6%)でありました。術後0病日、第1病日、第7病日、1ヶ月のBNP濃度は、術後0病日を除く全ての期間で、hANP群がplacebo群に比べ有意に低い結果を得ました。さらに1年目の値も有意に低い結果でした。術中、術後の体液バランスは、差はありませんでしたが、furosemideの使用量、カリウムの補正量は有意にhANP群で少ない結果でした。レニンは術後0病日、アンギオテンシン-IIは術後0病日、第1病日、アルドステロンは第1病日を除く期間でhANP群が有意に低い結果でした。CPK-MBは術後3時間後、トロポニン-I、H-FABPは術直後、第1病日で有意にhANP群が有意に低い結果でした。全症例での検討で、高齢者、低心機能、血中KL-6が300U/mlを超える症例は有意に術後不整脈を発生する結果が得られました。術後最低ANP値をみたところ、不整脈発生例は有意に低いことがわかりました。 以上の結果から、hAMP治療により、術後のANP濃度を高く維持すること、hANPによる抗虚血作用、カリウム保持作用、レニンアンギオテンシンアルドステロン系抑制作用により術後不整脈の発生を予防していると現時点では考えています。その内容については、関連学会の総会等で報告いたしました。 今回、術後1年目のデータを解析でき、その中でBNP値がhANP群で低いことから術後早期にレニンアンギオテンシンアルドステロン系(とくにアルドステロン)を抑制したこと、虚血を抑制したことが術後1年の左室機能に影響を与えたものと考えています。
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