研究課題/領域番号 |
21591814
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20379845)
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研究分担者 |
松岡 順治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30332795)
山辻 知樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40379730)
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
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キーワード | 肺癌 / Myc / K-Ras |
研究概要 |
Myc遺伝子における四アミノ酸置換型dimerization domain : OmoMycは、Myc familyに属するC-Myc、N-Myc、L-Mycの発現異常のある癌組織に細胞死を誘導し(Soucek et al. Oncogene 17:2463-2467 1998)、さらにK-Ras変異を有する肺癌に対し特異的細胞死を誘導することが報告されている(Soucek et al. Nature 2008)。omomycを発現できるリコンビナント・アデノウイルスベクター:Ad-Omomycは、Mycを発現している肺癌細胞株:A549に細胞増殖抑制効果を誘導する一方でMyc発現の低い肺癌細胞株:H441またヒト正常肺腺維芽細胞:NHLFにおいてこれらの効果は認められなかった。PI染色およびFlowcytometyを用いた細胞周期解析にてAd-OmomycはA549細胞に有意なsubG0/G1 populationの増加を誘導したが、H441細胞またNHLにおける増加は認められず、 このことより、OmomycはMyc発現の高い肺癌特異的に細胞死を誘導できることが示唆された。ドキシサイクリン投与により肺癌を発症するマウス:CCSP-rtTA/Tet-op-K-Ras4bG12Dにおいて、Ad-Omomycの経気管投与後、発症肺癌に対する抗腫瘍効果が認められ、腫瘍に対するTunel染色の結果、Ad-Omomyc投与群において縮小腫瘍内にapoptosisが認められた。またAd-OmomycはA549肺癌細胞接種により作製されたヌードマウス皮下腫瘍に対してコントロール群に比べ有意な腫瘍縮小効果を示した。一方で治療後の体重の変化はコントロール群と比べ有意差を認めなかった。抗癌剤併用効果の検討においてcisplatinはA549細胞に対するAd-Omomycの細胞死を増強させたが、この併用効果は、CCSP-rtTA/Tet-op-K-Ras4bG12D肺癌マウスを用いた検討において認められなかった。
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