研究課題/領域番号 |
21591820
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐々木 秀文 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (00336695)
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研究分担者 |
矢野 智紀 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40315883)
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キーワード | EGFR / Kras / 非喫煙者 / KIF5B/RET / 遺伝子転座 / FISH / 肺癌 / 腺癌 |
研究概要 |
肺癌に対するEGFRを分子標的としたゲフィチニブなどの抗癌剤感受性では、特に耐性に関わるものとしてKras遺伝子が注目されている。今回われわれは肺癌におけるEGFRおよびKras遺伝子変異について、従来のシーケンス法だけでなく、LightCyclerを用いたジェノタイピング法を用いた。肺癌においてはKras遺伝子変異との相関が示唆されるGlut-1タンパク発現を免疫組織学的検索を行い、Mol Med Report誌に掲載された。Glut-1タンパクの発現はKras遺伝子変異と有意に相関していた。またGlut-1タンパク発現例では有意に予後が不良であることも示されている。 肺癌における新たな遺伝子変異を検索する目的でDana Farber Cancer Instituteとの共同研究を行い、網羅的解析によりKIF5B/RET転座遺伝子の同定を行い、Nature Medicine誌に報告した。この新しい遺伝子変異は、腺癌患者の数%でみつかった。またKIF5B/RET遺伝子転座を細胞株に導入すると、Vandetanib、Sunitinib、SorafinibなどのRETタンパクを阻害するような分子標的剤に高い感受性を持つことが分かり、今後の新しい標的因子として有望であることがわかった。現在、この転座検出する目的で、PCRのアッセイの確立や、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)法の確立を試み、FISH法については特許を申請中である。FISH法は独自のBACクローンを用いて、組み合わせを行い改良中である。蛍光色素から、通常の顕微鏡でも観察できるシステムへの移行を模索している。また現在臨床病理学的背景との相関を探索中である。
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