研究課題/領域番号 |
21591823
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
川村 雅文 帝京大学, 医学部, 教授 (70169770)
|
研究分担者 |
泉 陽太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90245506)
朝倉 啓介 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90383786)
山内 良兼 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30445390)
|
キーワード | 凍結療法 / 肺癌 / コンピュータシュミレーション / 3次元モデル |
研究概要 |
肺腫瘍の局所根治を目指した凍結療法は低侵襲であり肺機能温存の点からも優れた治療法であるが、本療法が外科における肺部分切除術と同等の高い局所制御率を得るためには、31mm以上の腫瘍径のあるもの、4mm以内の距離に3mm以上の血管が走行する腫瘍、治療終了時腫瘍周囲に十分な濃度上昇域が得られなかったものといったこれまで局所制御率の不良な肺腫瘍に対する新たな凍結療法の方法論の確立が必要である。 本研究はこのような腫瘍に対してコンピュータ支援システムを構築することによって、至適な凍結端子の必要本数、刺入方向、留置位置、融解条件を治療前にシミュレーションすることを目的とする。豚の肺を用いて第2サイクル~第4サイクルまでの凍結融解時の詳細な温度分布(低温域の変化)を分析した。 このデータを得るために凍結端子の周囲の任意の測定点40箇所で同時に温度変化が測定できる装置を作成し、その実験データをコンュータに連続的に記録した。この結果、第3サイクル以降の低温域の広がりは第2サイクルとかわらないことが明らかとなり、臨床的には凍結融解は2サイクルでよいことが判明した。この実験データから凍結融解時の熱分布の理論式を作成し、報告した。(On freeze-thaw sequence of vital organ of assuming the cryoablation for malignant lung tumors by using cryoprobe as heat source. Cryobiology 2010 ; in press) 平成22年度は上記の実験で得たデータから凍結時間関数として凍結範囲の立体モデルを構築し、それが生体における実際の凍結と一致するか、動物実験により検証した。 次いで胸部CTのダイコムデータから人の胸部の3次元モデルをコンピュータ上に作成し、この空間に凍結領域を経時的に投射できるシステムを構築した。
|