研究課題
肺腫瘍の局所根治を目指した凍結療法は低侵襲であり肺機能温存の点からも優れた治療法であるが、本療法が外科における肺部分切除術と同等の高い局所制御率を得るためには、これまで局所制御率の不良な肺腫瘍に対する新たな凍結療法の方法論の確立が必要である。本研究はコンピュータ支援システムを構築することによって、至適な凍結端子の本数、刺入方向、留置位置等を治療前にシミュレーションすることを目的とした。平成21年度は豚の肺を用いて第2サイクル~第4サイクルまでの凍結融解時の詳細な温度分布(凍結端子の周囲の任意の測定点40箇所の温度変化)を測定しその実験データをコンュータに連続的に記録した。この実験データから凍結融解時の熱分布の理論式を作成し、報告した。(on freeze-thaw sequence of vital organ of assuming the cryoablation for malingnant lung tumors by using cryoprobe as heat source. Cryobiology 2010;61:317-26)平成22年度は上記の実験で得たデータから凍結時間関数として凍結範囲の立体モデルをコンピュー上で構築できるようにし、次いで胸部CTのダイコムデータから人の胸部の3次元モデルをコンピュータ上に作成し、この空間に凍結領域を経時的に投射できるシステを構築した。平成23年度はこのシュミレーション上の凍結範囲と実際の臨床でCT画面上に現れる陰影が一致するかを検証するため、CT上の画像と実際の凍結範囲との整合性の有無を動物実験から照合した。その結果CTの画像から殺腫瘍細胞の効果が期待できる温度の分布範囲を知ることができることを明らかにできた。(Prediction of the critical thermal zone during Pulmonary cryoablation on computed tomography from correlated experimental and clinical findings.J Thorac Cardiovasc Surg;2012 ePub)
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