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2009 年度 実績報告書

悪性腫瘍における酸素代謝の解析と腫瘍酸素加による治療効果増強機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21591824
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

堀之内 宏久  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (60173647)

研究分担者 河野 光智  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10276272)
塚田 孝祐  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00351883)
キーワード細動脈 / 酸素拡散係数 / 腫瘍循環 / 酸素ガス / 人工酸素運搬体
研究概要

【目的】組織への酸素運搬は、主として毛細血管で行われると考えられているが、細動脈レベルでも血液の酸素飽和度の低下を認め、酸素が消費あるいは拡散によって減少していることが分かっている。組織への酸素運搬に際動脈、毛細血管が果たす役割を明らかとすることにより、酸素をターゲットとした治療法の開発を進める。
【方法】微小循環における酸素挙動を観察・測定するためにマウスDorsal window chamberをもちいた。細動脈における酸素の放出・消費について検討するため、レーザーを用いたパラジウムコプロポルフィリンの燐光減衰より組織酸素分圧を求める方法を用いて細動脈壁内外の酸素分圧を同時測定した。吸入酸素濃度を変化させて、細動脈壁内外の酸素分圧を変動させ、細動脈壁の酸素拡散係数と酸素消費率を求めた。
次に担癌動物での酸素挙動を調べるため、腫瘍としてマウス乳癌細胞MMTを用い、Window内に移植、腫瘍径が3mm程度となった時点で腫瘍周囲の細動脈の酸素拡散係数を、また、左腋窩にMMTを移植、腫瘍が10mmを超えた時点でDorsal window chamberを装着、ウィンドウ内の細動脈の酸素拡散係数を上記の訃報を用いて測定した。
【結果】正常時の細動脈壁の酸素拡散係数はK_w=1.4×10^<-11>±0.34×10^<-11>[(cm^2/s)(ml O_2/cm^3 tissue mmHg^<-1>)]であり、正常時の細動脈壁の酸素消費率はM_w=0.35±0.040[ml O_2/100cm^3 tissue min^<-1>]で、これまでの諸研究者の報告とほぼ一致する結果であった。
単癌状態の動物の細動脈の酸素拡散係数は正常時に比し、低下しており、腫瘍が大きいと酸素拡散係数もより低下していた。腫瘍によって全身の細動脈の酸素拡散が調節されている可能性が示唆された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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