研究概要 |
初年度は、我々が作成したLED装置(in vitro用,in vivo用)を利用して2個のレンズを組み合わせてレザフィリン-PDTを施行した。光線力学的治療(PDT)を赤色LEDを使用して施行する上で問題点は、出力が弱く、直進性がない点である。我々は、これを克服するために市販のレンズを使用して、LEDの赤色光を集光させ、PDTの抗腫瘍効果を得られるか否やか検証した。ヒト悪性胸膜中皮腫細胞MSTO-211Hを使用してレザフィリンと3時間接触させた後、664nm付近のLEDとLED前面にレンズを合わせた2種の照射方法を行い、in vitroで抗腫瘍効果を検討した。WST-assayにより判定した。LEDにレンズを組み合わせることにより出力の増加をみとめ、LEDにみに比べて、照射時間を短くしても抗腫瘍効果に差異はみとめなかった。PDTを施行する上で、レーザーにかわる装置としてLEDでも十分な出力をだすことが可能と考えられ、レーザーに代わる内視鏡治療装置としてLED装置は期待できると考えられた。現在、MSTO-211H細胞をマウス皮下に移植し、in vivoにおいてLED+レンズによるPDTの抗腫瘍効果や温度上昇の有無について検討中である。
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