脳血管障害における脳循環代謝を完全非侵襲に評価する手法を開発すべく、研究を行った。従来の核医学的手法との比較を行いながら、超高磁場MRIによる脳循環および脳代謝定触解析法を検討した。本年度は、脳血流量を定騒的に評価する手法としてflow-sensitive attenuated inversion recovery法の臨床応用を行った。本年度は術前後評価および経過観察を中心に研究を行った。さらに術後急性期の症例において、従来の放射性同位元素を使用した手法と同等の精度を有することを確認した。さらに脳代謝測定としては、MRSの定転{解析を進めた。MRSではエコー時間を変更することにより様々な脳代謝産物が測定されるが、脳血管性障害において、重要と思われる代謝産物としては、コリン、クレアチン、アスパラテートに注目した。本年度新たに、脳温測定を脳卒中症例に応用し、その臨床的有用性を確認した。脳梗塞急性期症例を中心に、脳温変化と脳浮腫・脳代謝との関係が明らかになった。
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