Peroxisome proliferator-activated receptorγ(PPARγ)作動薬であるチアゾリジン誘導体は、2型糖尿病治療薬として使用されているが、この他にも多面的効果を持つ。虚血性神経細胞傷害に対する保護効果も有するが、その機序は明らかではない。本検討では、一過性前脳虚血モデルを用い、PPARγ作動薬の神経保護効果の機序を検討した。その結果、PPARγは虚血後主にCA1神経細胞で発現が亢進し、この作動薬の投与により、Akt/GSK-3βおよびSTAT3経路の活性化を介し、神経細胞傷害が軽減することが明らかとなった。
|