研究課題/領域番号 |
21591838
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
谷口 理章 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60346195)
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研究分担者 |
甲村 英二 神戸大学, 医学研究科, 教授 (30225388)
近藤 威 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (50273769)
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キーワード | 顔面神経 / 軸索再生阻害因子 / プロテオグリカン / RGM |
研究概要 |
昨年度坐骨神経で確立した神経切断・再縫合モデルを顔面神経において作成し、軸索再生阻害因子であるMAG、RGM、プロテオグリカンの発現変化を免疫染色にて検討した。プロテオグリカンについては切断後3ヶ月以上の慢性期において、非手術側のコントロールに比し神経鞘における発現が有意に亢進していることが確認された。一方でRGMについては血管周囲結合識および神経周膜において発現を認めるものの、コントロール側に比して有意な変化は認められなかった。このことからプロテオグリカンの顔面神経再生阻害への関与を検討すべく、コンドロイチナーゼを用いてプロテオグリカンを分解処理した場合の再生の程度を観察した。顔面神経切断後にコンドロイチナーゼ0.1Uを末梢側断端に注入し、すぐに縫合した。顔面神経の再生は鼻毛の運動幅の回復程度で評価した。切断・再縫合手術を施行したがコンドロイチナーゼ処理を行っていない群をコントロールとした。鼻毛の運動はコントロール群では21日目くらいから徐々に回復を認めるのに対し、コンドロイチナーゼ処理群では14日目より回復を認め、28日目、35日目以降においてもコントロール郡では運動幅は正常の約5%の回復にとどまるのに対し、コンドロイチナーゼ処理群では10%以上の回復を認めた。今後組織学的検証を追加し、鼻毛運動を定量的に評価するシステムを作成する予定である。
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