研究課題/領域番号 |
21591846
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
徳田 雅明 香川大学, 医学部, 教授 (10163974)
|
研究分担者 |
山口 文徳 香川大学, 医学部, 准教授 (40271085)
板野 俊文 香川大学, 大学本部, 理事 (60145042)
|
キーワード | 希少糖 / D-アロース / 脳梗塞 / 血管脳関門 / 虚血再還流障害 / 活性酸素 |
研究概要 |
脳虚血再灌流モデルを用いたD-アロースの効果の検証を行った。SDラット(♂、体重350-400g)を用いナイロン糸による中大脳動脈の60分間閉塞モデル(MCAO)に、50mg/kg~800mg/kgの間でD-アロース(in生理食塩水)を持続投与した結果D-アロースは濃度依存性に脳の梗塞により生じる変性領域を縮小した。酸化ストレスマーカーのapurnicl apyrimidic abasic sites (AP-sites) and 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine (8-OHdG)は、D-アロースにより著しい減少を示し、D-アロースにより脳梗塞を抑えることができることが判明した。脳血液関門をD-アロースが通過できるかどうかについては、14CアイソトープラベルしたD-アロースを用いた体内動態解析で検証し、虚血再還流障害に陥った脳では、正常脳よりもD-アロースは脳内に多く入ることが判った。虚血の際に上昇するNADPHオキシダーゼ活性、NADPHオキシダーゼのcatalytic subunitであるgp91(phox)の誘導についてWestern blotにより解析し、D-アロースが誘導を抑えることが判明し、これが抗酸化作用のひとつだと思われた。脳の水分量を測定し浮腫の程度を測定しD-アロースによる水分量の軽度抑制がかかることが判った。またD-アロース投与により活性型のphospho-MEK 1/2やphospho-ERK 1/2の量をWestern blot解析したところ、リン酸化抑制の傾向が見られ、これら酵素の活性化をD-アロース抑制することが判明した。以上の動物実験により、D-アロースの脳虚血により生じる障害に対する有効性が示された。
|