研究課題/領域番号 |
21591860
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
樋口 敏宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (80218700)
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研究分担者 |
田中 忠蔵 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 名誉教授 (80163541)
梅田 雅宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (60223608)
渡邉 康晴 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 講師 (90454537)
河合 裕子 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (90555616)
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キーワード | 神経再生 / 内在性神経幹細胞 / MRI / マンガン / 脳虚血モデル / グリア |
研究概要 |
成体脳における内在性神経幹細胞による神経再生過程をin vivoにおいて画像化することを目的に研究を実施した。造影効果の高いマンガンを細胞に取り込ませて画像化するMEMRIの手法により、組織の反応を高い空間分解能で観察することが可能である。ラットにマンガンを投与した精密な造影画像より、マンガンは細胞内においてタンパクと結合して存在し、水溶液以上に緩和効果を増強する可能性が示された。追加で実施したイメージングファントムを用いた実験においてもアルブミンの有無によって緩和時間が変化したことから、タンパクがマンガンの緩和能に強く影響を及ぼすことが示された。これらの基礎データを元にして、低濃度の造影剤を投与した際の反応を画像化した。マンガンは重金属であるが食べ物にも含まれる元素であり、濃度の薄いマンガン水溶液は、投与しても緩和時間に変化を及ぼすほど組織に蓄積することは無い。しかし、アストロサイトの活性が見られるgliosisと呼ばれる領域においては、通常蓄積しない程度のマンガンであっても組織コントラストに変化を及ぼすことが明らかとなった。ガドリニウム製剤においても、血漿中のアルブミンと結合する置換基を導入した製剤で高い緩和効果が報告されており、緩和剤とタンパクとの関係性が示されている。グリアのダイナミックな動きが見られる虚血モデルとカルシウムチャネルを介するマンガンのような造影剤を組み合わせた研究手法は、将来的な臨床応用を目指した薬剤開発に応用可能な画像手法になり得る。
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