研究課題/領域番号 |
21591871
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三好 康之 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (00362997)
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研究分担者 |
安原 隆雄 岡山大学, 大学病院, 助教 (50457214)
上利 崇 岡山大学, 大学病院, 助教 (60423290)
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キーワード | 脳深部電気刺激 / 酸化ストレス / 神経栄養因子 / 8-OHdG / ドパミス神経 |
研究概要 |
徐々に黒質ドパミン神経系に変性をもたらすように、ラットにである6-OHDAを注入した。経時的に尿中8-OHdGを測定することで、ドパミン神経の変性がどの程度の速度で進行しているかを評価すると、6-OHDA注入から1週間後には8-OHdGが高値になり、2週間後にはプラトーに達し、4週間後には低下していることが明らかになった。尿中8-OHdG値は、薬物誘発回転運動数やLimb placement testスコアを含めた行動学的評価の結果と有意な相関を示した。さらに、組織学的には、ドパミン神経に含まれる酵素であるチロシン水酸化酵素の脱落程度とも相関を示すことを明らかにした。これらの結果から、尿中8-OHdG値が本モデルにおいて、パーキンソン病(PD)の病状を反映することが示唆された。電気刺激治療もPDモデルラットに対して施行したが、視床下核以外の部位にも電気刺激が及ぶからか、当初用いていた針電極だと均一に治療効果が得られず、電極の先端形状をさらに微細なものに変更して刺激を行うことで対応している。また、我々はPD患者に対してDBSを施行しているが、臨床研究として、経時的に尿中8-OHdGをDBS施行前から測定しており、まだ症例数は十分に得られていないが、一部の患者においてDBS施行後に尿中8-OHdG値が低下していた。現在、症状の改善度との相関性を調査中である。来年度は、PDモデルラットに対する電気刺激治療効果と尿中8-OHdGの関係を明らかにするだけでなく、臨床研究のデータを解析し、実際臨床における尿中8-OHdG値の意義を示すことにより、DBSの真の治療効果、つまり、DBSによりドパミン神経変性が抑制されるかどうかという点を明らかにしたい。
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