研究課題/領域番号 |
21591871
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三好 康之 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (00362997)
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研究分担者 |
上利 崇 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (60423290)
菱川 朋人 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (60509610)
亀田 雅博 岡山大学, 岡山大学病院, 医員 (50586427)
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キーワード | 脳深部電気刺激 / 酸化ストレス / 神経栄養因子 / 8-OHdG / ドパミン神経 |
研究概要 |
我々はこれまで、パーキンソン病の動物モデルにおける8-OHdGの経時的変化について研究を続け、尿中8-OHdGレベルがパーキンソン病の重症度を示す良い指標となるという結論を得ていた。また、臨床研究では、脳深部刺激療法(deep brain stimulation : DBS)施行前からパーキンソン病患者の尿採取を経時的に行ってきた。加えて、脳血流・心筋シンチや運動・精神機能評価に関するデータも収集してきた。これまでにある一定の症例数を集めることができたので、平成23年度は尿検体中に含まれる8-OHdGの値を測定し、パーキンソン病患者における酸化ストレスとDBSの関係について検証を行った。すると、DBSの前後で8-OHdGの値は有意に減少しており、DBSがパーキンソン病患者の酸化ストレスの軽減に寄与していることが確認できた。また、発症後10年以上経過してDBS施行となった比較的パーキンソン病の症状の進行が緩やかと考えられるグループと、それより短い期間でDBSとなった比較的進行が速いと考えられるグループを比較すると、進行が緩やかと考えられるグループにおいて、DBS後長期にわたりかなりの酸化ストレスの軽減がもたらされることが判明した。一方で、進行が速いと考えられるグループではDBS前後での酸化ストレス度の低下は認めたものの比較的小さかった。今回のデータの多くは術後1から2年程度のフォローとなっているため、今後このフォロー期間を延ばして、DBSで軽減された酸化ストレスが術後どれぐらいの期間まで軽減された状態を保ちうるのか、更に長期間フォローを行いたいと考えている。なお、脳血流・心筋シンチや、運動・精神機能評価と、8-OHdG値との相関については、現在、解析を継続中である。
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