研究課題/領域番号 |
21591873
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮城 靖 九州大学, デジタルメディシンイニシアティブデジタルペイシェント部門, 准教授 (10380403)
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研究分担者 |
諸岡 健一 九州大学, デジタルメディシンイニシアティブデジタルペイシェント部門, 准教授 (80323806)
福田 孝一 九州大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (50253414)
飛松 省三 九州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40164008)
吉浦 敬 九州大学, 大学病院, 講師 (40322747)
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キーワード | ヒト脳アトラス / 定位脳手術 / 三次元再構築 / デジタルブレイン / 脳科学 / 解剖計算学 |
研究概要 |
【研究の目的】日本人脳の形態に特化した脳アトラスを作成し、脳神経疾患のテーラーメイド治療に応用できる脳の地球儀"デジタルブレイン"を開発する。【研究実施計画および成果】脳疾患のない成人脳で標本を作製し統計処理により形状を平均化する。スライス前の解剖実習用日本人大脳半球の形状を全方向からレーザースキャンすることにより記録する。次に半球を5x5x 1cm大に平行切断しブロック化する。マイクロスライサーで50μm厚の連続切片を作製し、1mm間隔の切片をニッスル染色や髄鞘染色後、スキャナで記録することで、各切片のデジタル組織画像を得る。標本作製の段階で欠落した部分や作成中に生じた変形は,先に保存した脳形状モデルとスライス画像の相対関係を求め、画像間の構造的整合性を考慮しながら画像を変形させ、データ補完・修正を行う。これにより形状モデルとスライス画像の座標情報を統合することで、標準脳を作成する。初年度は、大脳半球の形状を保ちつつ、正確に完全な連続スライス標本を作成する方法およびデジタル再構築する方法を確立した。【意義と重要性】ヒト脳のような大型臓器から薄切標本を作成する技術は特殊な機材・環境・技術が必要になるため、現在の使用されているヒト脳アトラスは世界でも限られた施設で数十年かけて蓄積された標本中から厳選された脳の一部を用いて作成された。現在まで日本人脳で作成された全脳アトラスはない。そのため定位脳手術では欧米人脳で作成された古典的アトラスに単純な変倍操作を加えることで患者個人の脳に応用されており、その安全性と正確性が疑問視されてきた。本研究により完全な日本人脳アトラスが完成すれば、安全・正確なテーラーメイド脳手術に応用することができる。
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