研究概要 |
下垂体腺腫にCD133陽性細胞が存在していることを確認することができた。そのことは免疫組織染色によって患者下垂体腺腫の組織切片においてCD133抗体を用いた染色によって確認されたが、さらに下垂体腺腫中にCD133mRNAが発現しているかどうかをRT-PCRにて検討した。その結果、CD133mRNAの発現が確認された。下垂体腺腫におけるCD133陽性細胞は腺腫組織内では散在性に存在するものと管腔形成をしているものがあった。このことから同細胞は血管新生にかかわっている細胞ではないかという仮説を立てる一方で内分泌機能を有した細胞へ分化する細胞ではないかと考え多重免疫組織学的検討を供焦点レーザー顕微鏡によって解析を行った。 その結果、下垂体腺腫に存在するCD133陽性細胞はNestin,CD34,VEGFR2に陽性であった。一方、Tuj1,GFAP,S100,chromogranin Aに陰性であった。 これらの結果から (1) 経系への分化を示す細胞ではないこと (2) S100が陰性であったことよりFolliculo-stellate cellではないのではないか (3) chromogranin Aに陰性であったことから神経分泌系への分化能はないのではないか。 (4) CD34/VEGFR2に陽性でありNestinも陽性であった。このことから同細胞は血管新生に関与する細胞なのではないか
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