初発時および再発時いずれもMGMTメチル化を評価し得た症例を12例蓄積した。このうち、初発時メチル化を認めた7例のうち、6例で再発時にもメチル化を認めた。一方、初発時にメチル化を認めなかった5例のうち、再発時にメチル化を認めた症例は1例のみだった。初発時と再発時でMGMTメチル化の変化を認めることは稀であり、テモゾロミド耐性獲得の原因として、MGMTメチル化以外の要因があることが推測された。 一方、神経膠芽腫に対するIMRTを用いた小分割大線量放射線治療において、MGMTメチル化を認めテモゾロミドを使用できる症例に対して照射線量を減量する試みを、8例のMGMTメチル化神経膠芽腫において施行した。経過観察期間が短いため結論は次年度以降に持ち越すが、従来の大線量照射と比較して局所制御期間に有意差無く、効果の面では一定の効果を維持できるものと思われた。今後、さらに経過観察期間を延長して効果の検証を続けると同時に、有害事象の軽減に繋がっているかの検証を行っていく予定である。
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