研究概要 |
細胞極性を制御する分子であるLAP蛋白質について、その細胞運動制御機能や分化と増殖の統御における機能を解析することを目的として、ヒトScribbleと結合する蛋白質を酵母two-hybrid法を用いて探索した。全長Scribbleをbaitとして行ったtwo-hybrid screeningで、p0071、delta-catenin、tetratricopeptide repeat, ankyrin repeat and coiled-coil containing 2(TANC2)、latrophilin 3(LPHN3)を含むいくつかの新規結合候補蛋白質を同定した。また、N末端のロイシン・リッチリピートの部分をbaitとしたtwo-hybrid screeningも行ったが、それでは良い候補蛋白質を得ることはできなかった。一方、ヒトScribbleのパルミトイル化の可能性についても検討した。ScribbleのN末端に存在する3個のシステイン(システイン4,システイン10,システイン22)の変異体を作製し、細胞に強制発現させてそれらの局在を観察したところ、システイン4およびシステイン10が、Scribbleの形質膜局在に重要であることが判明した。また、システイン4およびシステイン10の変異体は、野生型のものに比べて可溶性が高くなっていた。これらのことから、Scribbleのシステイン4およびシステイン10がパルミトイル化されている可能性が示唆された。
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