研究課題
1. 手術摘出標本から樹立したグリオーマ幹細胞の細胞特性解析Glioblastoma手術摘出標本からneurosphere法を使用してグリオーマ幹細胞の樹立を試み、in vitroで3カ月以上sphere形態を維持して増殖可能な細胞株(glioma derived cell : GDC)を3クローン(GDC21、GDC36, GDC40)樹立した。GDCの特性解析として、各GDCからゲノムDNAを抽出し、Genome-Wide Human SNP Array 6.0(アフィメトリクス社)を用いたコピー数変異(CNV)解析を実施した。その結果、GDCにはグリオーマで同定されている複数のCNVが存在することが確認された。また、NOD-scidマウスへの脳内移植において腫瘍形成能を有することが確認され、GDCはグリオーマ幹細胞としての条件を満たす細胞であることが明らかになった。さらに正常神経組織由来神経幹細胞(NSC)を対照細胞に使用して、前年度同定したレクチン、および抗ABCトランスポーター抗体を用いたフローサイトメトリー解析を行い、GDCとNSCにおいてこれらマーカーの発現に差異があることを明らかにした。2. 正常ヒト神経幹細胞およびグリオーマ幹細胞様細胞に細胞毒性を持つ候補化合物のスクリーニングNSC(2クローン)、GDC(3クローン)を対象に、96ウエルプレートを用いて、細胞増殖率評価(生細胞内ATP計測法)および細胞毒性評価(培養上清中LDH計測法)を用いてテモゾロミドならびにACNUを含む19種類の化合物とインターフェロンβの合計20種類の薬剤の作用を評価し、IC50値を算出した。その結果、GDCとNSCは多くに薬剤に対して類似の反応性を示すことが明らかになった。
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