研究概要 |
変性椎間板を支配する感覚神経が椎間板内、傍脊椎交感神経幹、後根神経節内でどのような変化を起こすのかを調べた. 腰椎椎間板の感覚神経支配と疼痛ペプチド、受容体の同定 SDラットを用いた。潅流固定後、ラットL4/5椎間板を摘出した。椎間板を支配する交感神経や感覚神経の中枢側を決定するために椎間板に神経トレーサーであるFluoro-Gold(2 crystals : Flurochrom社)を注入し、7日後の交感神経節と後根神経節を摘出した。これらに対して椎間板の感覚神経の特性の同定には免疫組織学的に以下のマーカーを用いて検討した。摘出したサンプルはクラリオスタットにて10μmの凍結切片を作製、スキムミルクでブロッキングを行った後、TuJ 1(全ての神経マーカー:1:200、ケミコン社)、TH(交感神経のマーカー:1:200、ケミコン社)、小径線維に関してはマーカーとしてCGRPやP物質、酸感受性のカプサイシン受容体のtransient receptor potential V1(TRPV1)、TRPV2、TRPM8(いずれも:1:1,000、サンタクルーズ社)、椎間板代謝に重要であるadenosine 5'-triphosphate(ATP)受容体P2X_3、神経栄養因子(Nerve growth factor : NGF)、脳由来神経栄養因子(Brain derived neurotrophic factor : BDNF)、NGF受容体(TrkA, p75)(以上1:500、ケミコン社)を検討した。発色はAlexa 488,594(1:200、Molecular Probe社)を用いた蛍光法で行い,蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡で観察した結果全てのマーカーが陽性であることを見出した.
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