研究概要 |
頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)患者、非OPLL患者(頚椎椎間板ヘルニア)の脊柱靭帯組織から骨化部分を除き(骨化前線部を中心)、outgrowth法にて靭帯細胞を単離し,FBS添加DMEM培地にて5継代培養した(Alex P et al Biochemical J, 2003)。また、黄色靭帯骨化症(OYL)患者、非OYL患者(腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症)の黄色靭帯組織から骨化部分を除き、同様の手法にて靭帯細胞を培養した。本研究はヒト脊柱靭帯の術中採取標本を使用したため、その際には福井大学医学部倫理委員会の承認ならびに術前に患者、その家族に十分なインフォームドコンセントを行い、同意を得た上で行った。 1)脊髄からのpoly(A)RNAの調製 採取したtotalRNAを調節後、精製したpoly(A)RNAを得た。バイオアナライザーを用いて純度をチェックした。 2)リアルタイムRT-PCR 過去のマイクロアレイの結果、神経再生関連遺伝子などを基準に、遺伝子を選択、プライマーを作製し、リアルタイムPCRを行った。 3)組織学的・培養細胞の免疫学的検討 採取した靭帯組織および培養靭帯細胞の免疫染色を行い、リアルタイムRT-PCRの結果と比較検討した。 4)遺伝子解析の準備 cDNAライブラリーを作製し、各々のマイクロビーズを作製する。同様に、各グループのpoly(A)RNA等量混合物から蛍光標識プローブを作製する。非損傷群由来のpoly(A)RNAをFluorescein標識、損傷群由来のpoly(A)RNAにはCy5を標識する。ゲートから回収したビーズの中から、各ゲートにおいてクローンのシーケンスを行う。次にクラスターのコンセンサス配列のみをクェリー配列とし、塩基配列データベースに対するBLASTホモロジーサーチを行う。塩基配列データベースはNCBIのRefSeqおよびUniGeneデータを用いる予定である。
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