研究概要 |
・カテコールアミンは、脳機能および脳発達において重要な役割を持っており,また,振戦、筋強剛、寡動などの神経症状に関与している.カテコールアミンの脳内含有量をモトプシン欠損マウスにおいて検討した.中枢神経系の海馬,帯状回,扁桃体の各部位におけるカテコールアミンを定量し,野生型のものと比較した. ・単独のセリンプロテアーゼ欠損マウスでは運動障害を認められないために,プラズミノーゲンアクチベータ欠損マウスとモトプシン欠損マウスを交配し,プラズミノーゲンアクチベータとモトプシンを欠損する二重欠損マウスの作製を継続中である.また,プラズミノーゲンアクチベータ欠損マウスの行動観察を行っている.プラズミノーゲンアクチベータ欠損マウスの同定には,プライマーとしてt-PAWT S(5'ACCTGTGGCCTGAGGCAGTACAAACGGCCT3'),t-PAWT A(5'TCTGCCCAAG ACCACTTTAAGATGATT3'),およびt-PAKOS(5'GTGCGAGGCCAGAGGCCAC TTGTGTAGCG3')を用い,PCR法にて遺伝子解析を行っている. ・精神遅滞原因遺伝子モトプシンとSeizure related protein-6が相互作用することにより神経突起の伸展が制御されることを検討した.モトプシンが単独に存在する場合には,神経突起は正常に伸展するが,Seizure related protein-6を発現させた培養神経細胞では,モトプシンにSeizure related protein-6が結合することにより,突起の伸展が抑制されることがわかった.
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