研究課題
リン酸オクタカルシウム(OCP)は、は焼結できず、形態維持ができないため、操作性の問題から臨床での使用が難しい状況であった。形態付与材としてはコラーゲンやPLLA、PLGAなどの使用が考えられ、実際にコラーゲンとの複合体を作製し優れた骨伝導能、吸収性を証明してきた。しかし複雑な形状の骨欠損部補填には操作性の良い、いかなる形状の骨欠損にも充填可能なペースト状人工骨の使用が望まれる。そこで生体に広く分布する細胞外基質であるヒアルロン酸のOCPへの形態付与材としての可能性を考えた。昨年度において、市販ヒアルロン酸製剤(スベニール[○!R]中外製薬)に従来の湿式合成法を用いて作成したOCP顆粒を混合し複合体を作製した。複合体はOCP顆粒径300~500μmに整粒しOCPとヒアルロン酸の量を調整しペースト状にした。市販シリンジ(内径2mm)内に複合体を充填し、安定した操作で骨欠損部へ注入が可能であった。複合体をマウス(n=2)頭蓋冠へ移植し2週経過後、頭蓋骨上に骨形成が見られた。今年度は複合体が確実に骨形成を促進することを確認する目的で動物(マウス、ラット、ウサギ)への移植実験を行う予定である。加えてマウス頭頂骨由来骨芽細胞MC3T3-E1、マウス骨髄由来間質細胞ST2用いて培養実験を施行する予定である。軟X線撮影、マイクロCT、組織学的評価、各種免疫染色、real-time PCRなどで評価する予定である。
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Effect of topography of the octacalcium phosphate granule surfaces on its bone regenerative property.(In : Interface Oral Health Science 2009.)(Sasano T, Suzuki O, editors.)(Springer, Tokyo.)
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http://www-kiso.dent.tohoku.ac.jp/cfe/index.html