研究課題/領域番号 |
21591923
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
成瀬 康治 北里大学, 医学部, 講師 (60276087)
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研究分担者 |
松下 治 北里大学, 医学部, 教授 (00209537)
糸満 盛憲 北里大学, 医学部, 教授 (70104528)
占部 憲 北里大学, 医学部, 准教授 (90284489)
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キーワード | 関節機能再建術 / 金属表面加工 / 副甲状腺ホルモン |
研究概要 |
骨粗しょう症治療薬、副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone ; PTH)は欧米では既に臨床治療に用いられている。PTHが持つ強い骨形成作用に期待して、コラゲナーゼがもつコラーゲン結合ドメインとPTHの融合タンパク(PTH-CBD)を作成した。PTH-CBDは、とれまで生理活性を持つことがin vitro実験系で確認されてきたが、動物モデルを用いて骨形成作用部位を確認するために骨粗しょう症モデルマウスを作成して骨形態計測学的検討を行った。海綿骨量はPTH投与群のみで増加を認めたが、皮質骨幅と骨密度はPTH-CBD投与群においてPTH投与群と同等の増加作用が認められた。よって、PTH-CBD投与による骨形成作用には同じ骨組織内においても局在性が認められることが明らかとなった。 移植骨/人工関節接合部の力学的強度改善のために、チタン金属表面ナノワイヤー加工の最適化を海外共同研究者(アーカンソー大学、Z. Ryan Tian)とともに取り組んだ。従来チタン金属表面のナノワイヤー加工に用いてきた金属形状はφ0.01mmと細かったため、動物実験用にφ1.2mmチタンロッドを作成した。表面走査型電子顕微鏡を用いてチタン金属表面解析を行った。浸漬溶媒条件と金属体積による表面加工状態の変化が著しく、ナノレベルでの均一な表面加工が得られる条件を検討中である。今後、従来型人工股関節ステム表面加工を念頭に加工条件を検討していく必要があることが判明した。 PTK-CBDを搭載した移植用ラット皮質骨プレートを作成した。搭載するための反応時間、PTH-CBD溶液濃度や移植骨質量は、これまでの基礎的研究結果に基づき行った。移植後の母床骨からの骨膜由来新生骨量は、同一個体別に時系列的に単純X線撮影を行い、画像を電子化後画像解析ソフトウェアImage Jにて新生骨量を計測した。その結果、PTH-CBD搭載骨は、非搭載骨と比較して統計学的有意差は認められなかった。これらの結果から、骨コラーゲンとPTH-CBDとの結合効率を上げるために移植に用いる骨組織に対してのアプローチの工夫が必要であることが判明した.
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