再構築現象による腱マトリクスの力学的特性の変化は非常に重要なため、引っ張り試験を行って、その結果を膝蓋腱内のアポトーシス現象と比較するために、特に腱微細構造への影響の評価のため、力学材料試験装置を用いて、除負荷された膝蓋腱全体およびfibrilの力学的材料特性を評価した。実験には日本白色家兎を用いた。右膝蓋腱に対して除負荷処置を行ない、左膝蓋腱には何も処置を施さず正常対照とした。術後3週で屠殺し各力学パラメータを計測した。正常膝蓋腱全体のTangent modulus (MPa)は1290、Tensile strength (MPa)は72.0であった。一方、除負荷された膝蓋腱全体のTangent modulus (MPa)は97、Tensile strength (MPa)は3.9であり正常と比較し有意に低下していた。またfibrilの計測においても、Tangent modulusおよびTensile strengthは正常腱で227、16.5、除負荷腱で53、4.4と有意差をを認めた。今回の結果は、除負荷は微細構造レベルにおいても力学特性に変化を与えることを示し、前々年度の研究で除負荷が膝蓋腱線維芽細胞に早期(1日)にアポトーシスを引き起こすことが微細構造レベルから影響を与えていることを示唆した。除負荷によるアポトーシスは膝蓋腱の構造特性だけでなく材料特性にも有意な影響を与える。
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