研究課題/領域番号 |
21591931
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40361498)
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研究分担者 |
河野 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20345218)
大隈 知威 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90534909)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
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キーワード | 永久関節軟骨再生 |
研究概要 |
本研究は、SOX11を軸とした関節形成分子ネットワークを網羅的に同定することを目的としている。本年度はSOX11の機能解析をin vitroおよびin vivoで行い、複数の新たな知見を得た。 1)SOX11の機能ドメインの同定と既知シグナル伝達系の中での位置づけ SOX11のアポトーシスへの関与について検討したが、BIM、BAX、BADなど各種アポトーシス関連分子の発現量の変化は認められなかった。しかしながら、SOX11の過剰発現はII型コラーゲンや、アグリカンといった軟骨特異的な遺伝子発現を上昇させるだけでなく一方で軟骨の肥大化を有意に抑制することが分かった。これは関節組織の中でも特に関節軟骨への分化を強く誘導する因子であることを示唆している。さらに、SOX11は同じSOX Cグループに属するSOX4およびSOX12と協調作用があることが判明した。 2)SOX11のin vivoにおける発現パターン解析 マウスエンブリオの四肢におけるSOX11の発現を経時的に確認した。まず胎生11.5日および12.5日のマウスエンブリオでwhole mount in situ hybridizationを行い、SOX11の強い四肢での発現をみた。さらにsection in situ hybridization法により胎生14.5日までの発現を詳細に検討した。SOX11は初期では軟骨組織に全体的に発現がみられるが、その発現が成長とともに関節形成の第一ステップであるinterzoneに限局してくることが判明した。 3)Ex vivoでの関節形成誘導メカニズムの解明 Ex vivoでの関節形成のために必要十分な成長因子の組み合わせは未だ同定できていない。実際の生体内で非常に多くの因子が空間・時期依存的に関与している可能性が高く、ex vivoでの再現は極めて困難であると考えている。
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