研究課題/領域番号 |
21591937
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
宗田 大 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50190864)
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研究分担者 |
関矢 一郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (10345291)
小林 英司 東京医科歯科大学, 自治医科大学医学部, 教授 (00245044)
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キーワード | 幹細胞治療 / 滑膜幹細胞 / 軟骨欠損 / 大動物研究 / 低侵襲手術 |
研究概要 |
ミニブタ(Mexican Hairless Pig : MHP)から滑膜由来の間葉幹細胞(MSC)を採取し、増殖後凍結保存した。ウサギ由来・ヒト由来と同様、コロニー形成能を有し、約1年間の増殖能があり、多分化能も有していた。骨髄・骨膜・脂肪・筋肉由来のMSCに比し有意に優れた軟骨分化能を示した。 続いてMHPの両膝荷重部に8x8x2mmの骨軟骨欠損を作成し、細胞治療を試みた。右膝に平均3.8x10^7のMSCを、左膝は対照群とし骨軟骨欠損部に滴下し10分間静置し、術後特別な固定は施行しなかった。移植後1週、組織学的に十分量の移植細胞を確認した。また、GFPブタ由来細胞とGFP関節鏡を用いて、生体内で動的にも十分量の接着を確認した。1ヶ月目では肉眼上も組織学的にも両群に有意差を認めないが、2ヶ月目以降関節鏡所見上も差が出はじめ、3ヶ月目には組織学的所見上も有意にMSC治療群に良好な軟骨再生が得られた。関節鏡所見・肉眼的所見上、MSC治療群では対照群に比し炎症反応や関節症性変化の抑制が認められ、MSCの関節炎抑制作用が示唆された。 全例でdGEMRIC法で軟骨形成の評価を行い、より質の良い軟骨再生を確認した。 当該施設の臨床治験とほぼ同じ条件(膝関節荷重部の軟骨欠損、内・外固定なし)での研究に意義があり、経時的に修復を観察することで本治療法の適切な後療法の検討ができる。ヒトでも一定の成果を上げており、今後はより効率良く、簡便に本治療法の効果を向上させる方法(薬剤等)の開発が課題である。今回は同種移植で1週間は残っているが1ヶ月目にはほぼ消失していた。再生は2か月目以降に進行が認められるため、細胞そのもの軟骨細胞分化のみならず、細胞から分泌される液性因子による軟骨再生促進が効果が推定される。今後小動物を用いた実験でその液性因子を解析し、軟骨再生に有用な薬剤を開発できる可能性がある。
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