研究課題/領域番号 |
21591943
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
樋口 周久 大阪大学, 保健センター, 助教 (40432421)
|
キーワード | 骨芽細胞分化 / Netrin / Unc5 / 神経組織 / noggin / Schwann細胞 |
研究概要 |
神経系組織や神経系腫瘍に発現する因子における骨代謝との接点を引き続き解析をおこなった。神経系組織に発現し、解析がすすんでいるNetrin-1の骨芽細胞分化に対する影響を確認したところ、細胞増殖には大きな影響を与えず、骨芽細胞分化を極性していることを確認した(アルカリフォスファターゼ活性・アルカリフォスファターゼおよびオステオカルシンmRNA発現・細胞外基質石灰化にて評価)。また、骨芽細胞分化におけるNetrin-1およびそのレセプターであるUnc5A-Dの発現を経時的に解析したところ、分化の進行において、これらの発現に変化がないことをRT-PCR法にて確認した。一方、マウス膝関節周囲の組織におけるNetrin-1の発現を組織免疫染色にて解析したところ、この分泌タンパクが、骨膜・成長軟骨帯の肥大軟骨細胞層・関節軟骨細胞・滑膜細胞に発現している事が確認された。これに引き続き、Netrin-1およびそのレセプターであるUnc5A-DをRNAiを用いたノックダウンにて発現量を減弱させたところ、Unc5Bのノックダウンにて骨芽細胞分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ活性の低下を認めた。一方、神経系細胞特に神経組織の支持細胞の骨代謝への影響の解析では、神経系組織からの抽出物質による骨芽細胞分化への作用を骨芽細胞分化マーカーの抑制には、その原因物質の1つとしてnogginが考えられた。これは、神経組織の支持細胞であるschwann細胞株や神経鞘腫がnogginを高発現していることから類推された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神経系組織と骨芽細胞との関連性について、大きく2つのタンパク質の発現や作用を解析・結果を得ており、追加的な実験を加えて、報告する段階と考えるため
|
今後の研究の推進方策 |
RNA interferenceを用いたUnc5の発現量調整による骨芽細胞分化への影響を多数のマーカーの推移を追加的に行い、確定することに並行して、論文による報告およびそのための追加実験を行う予定である。
|