研究課題/領域番号 |
21591947
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松浦 哲也 徳島大学, 病院, 講師 (30359913)
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研究分担者 |
安井 夏生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00157984)
鈴江 直人 徳島大学, 病院, 助教 (50463485)
江西 哲也 徳島大学, 病院, 医員 (20467806)
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キーワード | 肘離断性骨軟骨炎 / 小頭栄養血管 / 血流障害 |
研究概要 |
肘離断性骨軟骨炎の病因・病態に局所の血行動態がどのように関与しているのかを明らかにするため、平成21年度より本研究を行っている。初年度は未固定遺体上肢標本を用いて小頭への栄養血管の解剖学的検討を行い、さらにその血管を超音波ドップラーで描出し血管抵抗を用いて間接的に血流量が計測できることがわかった。本年度はさらに解剖学的な理解を深めるととともに、本障害患者の血管抵抗と病巣修復の有無について検討した。 まず解剖学的検討では、未固定遺体上肢標本6肢を用いた。栄養血管は小頭の後方内側よりで、関節包の付着部に接した部位から進入していた。 また血管抵抗と病巣修復の関係については、初診時に進行期の肘離断性骨軟骨炎と診断し、X線で小頭の骨端線が癒合中である10例を対象とした。平均年齢は12歳4カ月(11歳5カ月~13歳1カ月)であった。初診時にカラードプラ法を用いて小頭への栄養血管を同定した後、パルスドプラ法を用いて記録した血流速波形から収縮期最高血流速度(Vs)および拡張期最低血流速度(Vd)を計測し、血管抵抗係数resistance index(RI)=(Vs-Vd)/Vsを算出した。そして投球中止を主体とした保存療法を1年以上行ったところ5例は修復し、5例は修復しなかった。修復例のRIは0.59±0.05で非修復例の0.67±0.04より低く、血流量が豊富であった。以上より、栄養血管の血流量は病巣修復を決定する一因子である可能性が示唆された。
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