Stem Cell Mobilization(骨髄幹細胞動員)の誘導 ラット(12週齢の雄ルイスラット)に顆粒球増殖因子(granulocyte-colony stimulating factor:以下、G-CSFと略す)を投与し、血中の有核細胞の増加を確認した。150μg/kgを投与が効率的であること、1回投与では投与翌日にピークに達し、5日連続で投与すると有核細胞が高く保たれることを確認した。その結果から、G-CSF群はday0-4にPBS500μlに溶かしたG-CSF 150μg/kgを、Control群ではday0-4にPBS500μlのみを腹腔内投与(5日連続投与)することとした。 大腿骨顆間部骨軟骨欠損作成手術 G-CSF群、コントロール群ともG-CSFあるいはPBS腹腔内投与4日目(5回目投与のその日、投与後)にケタラールおよびセラクタールを筋肉内注射し、全身麻酔を施行した。両膝周辺を剃毛し、消毒した。皮膚を正中切開し、内側傍膝蓋骨正中切開で関節を展開した。大腿骨遠位部、膝関節大腿骨顆間部に直径2mm、深さ2mmの骨軟骨欠損を作成し、膝関節、創部を閉創した。手術後、それぞれ2週(2匹)・4週(2匹)・8週(2匹)・12週(5匹)・24週(2匹)でsacrificeして組織を採取する予定とした。 結果 2週から8週までの組織採取を終了した。ラットに全身麻酔をかけ安楽死させ、大腿骨の骨軟骨欠損部を肉眼的に評価した。大腿骨をホルマリン固定後、脱灰し、骨軟骨欠損部の中央部と通る矢状面で組織切片を作成した。トルイジンブルーおよびヘマトキシリンエオジンで染色し、評価した。これまでの結果では、軟骨修復よりも軟骨下骨の修復が良好であることが明らかになった。
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