研究課題
基盤研究(C)
昨年度の研究によって、指節間関節の形成においてはGdf5の下流でいくつかのマーカー蛋白質がTrps1を介して発現調節されていることが明らかとなった。現在その中から、Prg4/Libricinに注目して解析を行っている。Prg4/Lubricinは滑膜液の主要成分の一つであることが知られていたが、四肢の発生過程では軟骨原基の末端部分を覆うsuperficial layerで発現していることが最近明らかになった。そこでTrps1KOマウスの四肢でのPrg4/Lubricinの発現を検索したところ、発現領域の乱れや発現量の減少が確認された。Prg4/Lubricinの発現がGdf5/Trps1によって調節されていることは、培養軟骨細胞を用いた実験によっても確かめられた。また指節間関節が形成されないDominant Negative Gdf5発現マウスでは、指節間関節ができるべき領域でTrps1の発現が顕著に低下しており、加えてPrg4/Lubricinの発現は全く認められなかった。これらの地検より、現在「軟骨原基中の予定関節領域にGdf5/Trps1の作用によりPrg4/Lubricinが誘導され、それによってsuperficial layerが形成されることにより、関節空隙が生じる」という作業仮説を立てて現在組織学的な解析を行っている。またPrg4/Lubricinについてさらに検討したところ、myxoid liposarcomaにおいて発現が亢進しており、Transform活性があることを確認している。これより予想される類軟骨細胞の増殖への影響についても、脂肪組織と同時に検討した。また、研究計画にある組織培養についても予備的検討を行った。
すべて 2012 2011 2010 2009
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (9件)
Br J Cancer
巻: 106(12) ページ: 1976-9
Lab Invest
巻: 92(9) ページ: 1250-1259
Ann Thorac Cardiovasc Surg
巻: 18(3) ページ: 200-205
Cell Tissue Res
巻: 348 ページ: 131-40
Exp Mol Pathol
巻: 90 ページ: 143-148
巻: 90 ページ: 107-115
巻: 89 ページ: 149-157
J Am Soc Nephrol
巻: 21 ページ: 1468-1476
巻: 20 ページ: 2403-2411