研究課題/領域番号 |
21591960
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 和毅 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60235322)
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研究分担者 |
川北 敦夫 国立成育医療センター研究所, 生殖医療研究部, 共同研究員 (40338083)
一色 ほのか 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00348674)
斉藤 憲太 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90383893)
梅澤 明弘 国立成育医療センター研究所, 生殖医療研究部, 部長 (70213486)
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キーワード | 喫煙 / ニコチン / 骨軟骨 / 成長障害 / 胎児・小児 |
研究概要 |
本研究の目的は、喫煙(ニコチン)が胎児および小児の骨軟骨の成長を障害することを実験的に明らかにすることである。(予備実験)ヒト多指症患者から手術的に切除された余剰指由来の成長軟骨細胞におけるニコチン受容体(nAChRc)の発現を調べた。はじめにスクリーニングとして、成長軟骨からIsogen(Nippon gene)を用いてRNAを抽出し、メッセンジャーレベルでその発現を解析した。さらに、培養細胞においてnAChRcの発現を蛋白レベルで、western blotおよび免疫細胞学的に解析した。 →その結果、同培養細胞の免疫染色、抽出蛋白質のwestern blot、および抽出RNAの逆転写PCRにおいでα7 nAChRc subunitの発現が確認された。 (本実験1)ヒト成長軟骨細胞の3次元培養を行ない、これにニコチンを添加した場合の影響を組織学的に解析した。まずアガロースゲル3次元培養を行ない、ニコチンを各種濃度で培養液に添加し、細胞の増殖や軟骨基質産生、肥大分化に与える影響を組織学的に検討した。次にアルジネートビーズ3次元培養を4ヵ月行い、ニコチンを各種濃度で添加した。4ヵ月後にビーズを組織学的に観察し、軟骨基質産生に与える影響を確認した(Alcian blue、safranin-O染色)。 →培養ヒト軟骨細胞の三次元培養では、ニコチンがアルシアンブルー染色陽性の軟骨基質量やアルカリフォスファターゼ活性、X型コラーグン合成を抑制することを確認した。アガロースゲル培養において、ニコチンは容量依存性にアガロースゲル、アルギン酸ビーズ三次元培養ではニコチン濃度依存性に細飽の増殖性とalcian blue陽性matrix量Collagen type X(Col X)、Alkaline Phosphatase活性(ALP)の免疫染色性を減少させた。
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