研究課題/領域番号 |
21591963
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
市堰 徹 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30307631)
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研究分担者 |
松本 忠美 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90173905)
兼氏 歩 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (00303305)
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
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キーワード | 酸化ストレス / ステロイド性骨壊死 / ビタミンE / 酸化傷害 / 酸化誘発 |
研究概要 |
我々は、ステロイド性骨壊死の発生と生体内における酸化ストレスとの関係について検討してきた。 本年度の研究内容、結果は以下のとおりである。 1. 酸化ストレスと骨壊死の関係を詳細に調査するためのモデルとして、酸化ストレス単独誘発によるラットにおけるモデル作成した。腹腔内にブチオニンスルフォキシミンを投与することで生体内の還元酵素であるグルタチオン合成を約70%阻害したところ、骨壊死は酸化誘発から5日で確認でき、7日-14日で約30%~40%の発生を認めた。本モデルは簡便な方法で行えるラットモデルであるため、非常に有効なモデルであり、機序解明に役立つと考えられた。 2. 酸化誘発ラットモデルでの骨内における虚血の状態と虚血に陥る時期を確認するために、HIF-1の発現を免疫組織化学的に検討した。結果は、酸化誘発からすでに6-12時間以内に骨内における虚血が発生している可能性が示唆された。すなわち、この時期に壊死に陥る原因があると考えられた。 3. ステロイド投与家兎骨壊死モデルにおける抗酸化ビタミンであるビタミンE、ビタミンC、ビタミンKを使用し、ステロイド投与40mg/kg投与家兎における骨壊死予防の検討を行った。ビタミンEを投与することで骨壊死発生率は有意な低下を示し、ビタミンCでは統計学的な有意差はなかったが発生率の低下傾向を認めた。しかしながら、ビタミンKでは効果を認めなかった。
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