OHCPAの救命率を改善するためのPECPRシステムのコンセプトは、ある一定の知識と技術を有する医師であれば、病院外でも直ぐに、何処でも、簡単に使用できるPECPRシステムを開発することであった。具体的内容:効果的な心臓マッサージが行われた場合、人での胸骨圧迫心臓マッサージ下での心拍出量は約0.7l/min/M^2である。効果的な心臓マッサージ下では約1l/minの心拍出量が維持されていることを意味する。そこで、本PECPRシステムでは、病院外で直ちに、何処でも、簡単に行えるコンセプトを追求するために1~2l・min-1の血流量を得るに十分なPECPRシステムを考えた。1~2l/minの血流量を得るためであれば大腿動静脈に挿入する脱送血カテーテルはそれほど大きくなくてよい。回路には加温冷却装置は着けない。むしろ、外気温により血液温度が低下する方式で低体温が起こるシステムとする。体温低下にともない脳酸素消費量は1℃当たり約6~7%低下する。体温が約30℃に低下すれば脳酸素消費量は約50%も低下し脳心肺蘇生という観点からも蘇生効果をあげるために好ましい。人工肺および体外循環回路は一体型とし、低充填量で直ぐに回路内にヘパリンと乳酸加リンゲル液を充填できるPECPRシステムとした。ポンプは手動式ローラポンプを考えていたが簡便なリザーバーが不要な遠心ポンプとした。膜型人工肺は急速充填が行い易い気泡除去能に優れたキャピオックス(テルモ社)を用い体外循環回路と一体型とし、軽量で携行式のPECPRシステムとした。低充填量で直ぐに回路内にヘパリンと乳酸加リンゲル液を充填できるPECPRシステムとした。遠心ポンプはモーターの回転運動がそのままポンプの回転運動となり血液損傷が少ない利点がある。遠心ポンプの耐久試験を行った。PECPRシステムの効率試験を行った。
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